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インド滞在、旅行前に打っておくべきワクチン6選


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インドに行く際に打っておくべき6つのワクチンを紹介します。

必ず受ける 5 ~~~~~~ 受けなくてもよい 1
※必ず受けなければならないワクチンかを五段階で評価します。

1.A型肝炎

インド滞在者:5
インド旅行者:5

通常、1歳以上で接種を検討します。過去にA型肝炎に感染したことがある人や、過去にA型肝炎の予防接種を受けていて抗体価が有効域にある場合は接種不要です。
国産A型肝炎ワクチンでは、2~4週間隔で2回接種し、24週後に3回目を接種します。追加接種の時期については具体的に示されていませんが、一般的に3回接種すれば5年程度は効果があると考えられています。
海外製A型肝炎ワクチンは2回接種で、米国疾病センター(CDC)は、基礎免疫(2回接種)後の追加接種は推奨しないとしています。海外製ワクチンでは、B型肝炎との混合ワクチン(3回接種)や腸チフスとの混合ワクチン(2回接種)もあります。B型肝炎との混合ワクチン(3回接種)では、21日間で3回の接種を済ませてしまう短期接種スケジュールも認められています。

2.B型肝炎

インド滞在者:4
インド旅行者:3

日本の予防接種法では定期接種に入っていませんが、世界の多くの国で小児の定期接種に組み入れられており、出生直後から接種が開始されています。
国産B型肝炎ワクチンでは、4週間隔で2回接種し、20~24週後に3回目を接種します。3回接種しても抗体価が上昇しない人がいることが知られています。追加接種の時期については具体的に示されていませんが、一般的に3回接種すれば5年程度は効果があると考えられています。
海外製B型肝炎ワクチンは3~4回接種で、米国疾病センター(CDC)は、基礎免疫後の追加接種は推奨しないとしています。A型肝炎の項で説明したように、A型肝炎との混合ワクチン(3回接種)もあります。

3.破傷風

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日本を含む世界の多くの国々で小児の定期予防接種に組み入れられています。日本では、1968年、三種混合ワクチン(破傷風、ジフテリア、百日咳)が小児の定期接種として開始され、2012年からは四種混合ワクチン(破傷風、ジフテリア、百日咳、ポリオ)が導入されています。
破傷風は日本国内でも毎年数例が報告されており、特に40歳代以降で抗体価が低下するため、たとえ日本にいるとしても10年ごとの追加接種が推奨されます。
破傷風ワクチン(トキソイド)は、3~8週間隔で2回接種し、初回投与の6ヶ月以降(標準として12~18ヶ月後)に3回目を接種します。

4.日本脳炎

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インド東部や南部で、散発的な流行がしばしば報告されています。日本では3歳になってから基礎免疫を開始しますが、インド赴任に乳幼児を帯同する場合には、生後6ヶ月から接種をお勧めします。
国産日本脳炎ワクチンでは、1~4週間隔で2回接種し、その1年後に3回目を接種します。基礎免疫後、約10年で抗体価が低下することが知られており、10年ごとの追加接種が推奨されます。

5.腸チフス

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 CDCによれば、南アジアでは他の地域の6~30倍、腸チフスの感染リスクがあるとされています。特にインドでは、しばしば在留邦人や日本人旅行者が腸チフスに感染しており、国立感染症研究所の2012-13のデータでは、日本で確認された腸チフスはほとんどが海外で感染し、感染国で最も多かったのがインド(36%)でした。
腸チフスワクチンは感染防御効果が50~80%と必ずしも他のワクチンと比べて高くありませんし、類縁細菌によるパラチフスには効果がありませんが、 近年、腸チフス菌の治療に用いる抗菌薬に対する耐性獲得が問題となっていることからも、インド渡航の際には腸チフスワクチンの接種を勧めます。
腸チフスワクチンは海外製のみで、日本では輸入ワクチンとして限られたトラベルクリニック等で接種を受けることができます。腸チフスワクチンには、大きく分けて弱毒生ワクチン(1日おきに3~4回カプセルを内服)と不活化(多糖体)ワクチン(1回注射)の2種類があり、弱毒生ワクチンは5~6歳以降、不活化(多糖体)ワクチンは2歳以降接種が可能となります。また、A型肝炎の項で説明したように、A型肝炎との混合ワクチン(2回接種)もあります。

6.狂犬病

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WHOによれば、インドは世界で最も人の狂犬病報告数が多い国です。インドでは宗教的背景から、デリー、グルガオンやムンバイのような都市部であっても、人々は牛や犬のような動物と共存し、野良犬や野生の猿もあちらこちらで見かけます。インドで長期間生活していく中で、これらの動物と完全に距離を置いて生活を送ることは容易ではありません。
狂犬病ワクチンでの予防には、事前にワクチンを接種して免疫をつけておく曝露前免疫と、犬などに咬まれてしまってからワクチンを接種する曝露後免疫があります。WHOの推奨では、曝露前免疫を受けていない人が犬などに血が出るほど咬まれた場合、ヒト狂犬病免疫グロブリン(HRIG)という医薬品を創部の周囲など複数箇所に注射することになっています。お子さんの場合、創部の周囲にHRIGの注射を受けることは、耐えがたい恐怖と疼痛だと思いますし、HRIGは血液製剤ですから、できれば投与を避けたいものです。また、最近、インドでは都市部の総合病院でも慢性的なHRIGの不足が報じられています。
このような理由から、インドに赴任する場合や、旅行でも野生動物と接触する可能性がある場合には、狂犬病ワクチンを用いて曝露前免疫を受けておくことが望ましいとしています。